瞑想を深めていくと、ある段階で「体の感覚がなくなる」という不思議な体験に出会うことがあります。
これは単なるリラックスや眠気とは違い、意識が内側へと深く集中し、普段の五感が静かに後ろへ退いていくことで生まれる現象です。
この状態では、普段は当たり前に感じている重さや緊張、周囲との境界が薄れていくように感じられます。
「自分がここにいる」という実感が弱まり、ただ意識だけが澄んだ状態で残る――そんな特別な感覚に包まれるのです。
体の感覚がなくなると言っても、実際に体が消えてしまうわけではありません。
むしろ、体を縛っているストレスや余計な意識が手放され、本来の自分の中心に触れているサインともいえるでしょう。
長く瞑想を続けている人ほど、この境地を「静けさ」「安らぎ」「解放感」と表現します。
多くの人が最初は戸惑いますが、これは瞑想の効果がしっかりと現れている証拠。
深い静けさの中で心と体が整い、普段の生活では得られないリフレッシュを与えてくれる体験なのです。
体の感覚がなくなるってどんな感じ?
瞑想で体の感覚がなくなるとは一体どんな感じになる?
多くの人が体験しているけど感じ方は人それぞれです。感覚的な事象なのでなかなか人に伝えることは難しいですが、瞑想で体の感覚がなくなる人の感想は以下のような感じです。
・瞑想が深まると、人によって次のような感覚が現れることがあります。
・意識ははっきりしているのに、体の存在感が遠のいていく
・呼吸だけが残り、それが唯一のつながりのように感じる
・自分の体と周囲の空間との境界がなくなり、一体化する感覚
・全身が光やエネルギーに包まれているような感覚
・重力から解放され、ふわふわと浮いているように感じる
・体が石のように重くなり、まったく動かせなくなる感覚
・温かさや心地よいしびれが広がり、体が溶けていくように感じる
・眠っていないのに夢の中にいるような不思議な没入感
・音や時間の感覚が遠のき、静寂だけが残る
・「自分はここにいる」という感覚が希薄になり、意識だけが浮かんでいる
人によって体験は大きく異なります。
「ふわふわと浮くように感じる」という人もいれば、逆に「体の感覚がないことで重く沈むように感じる」という人もいます。
また、最初は一つの感覚しかなかった人が、瞑想を続けるうちに違う感覚を体験することもあります。
共通して言えるのは、これらはすべて瞑想が深まっているサインであり、恐れる必要はないということです。
なぜ体の感覚がなくなるのか?
瞑想中に「体の感覚がなくなる」という不思議な現象が起こるのには、いくつかの理由があります。
科学的な視点から
瞑想を続けると、脳は外部からの刺激を徐々に遮断し、内側の意識に集中するようになります。
その結果、脳の中で「体の位置や感覚を把握する働き(体性感覚野)」の活動が弱まることがわかっています。
呼吸や心拍がゆっくりになる
筋肉の緊張がほどけて神経の働きが落ち着く
感覚の信号が脳に届きにくくなる
こうして、普段は常に感じている体の重さや境界線が薄れ、「体がなくなったように感じる」のです。
脳科学的には「深いリラックス状態に入っているサイン」といえます。
スピリチュアルな視点から
スピリチュアルの世界では、この現象は「意識が肉体から一時的に解放された状態」と解釈されます。
体の枠を超え、魂やエネルギーの本質に近づいていると考えられているのです。
肉体を忘れることで、魂が自由に広がっていく
空間や宇宙との一体感を感じやすくなる
潜在意識や直感とつながりやすくなる
体の感覚がなくなることは、物質的な制限を越えて「本当の自分」と出会うプロセスだとされます。
科学的には「脳と神経がリラックスして感覚が薄れる状態」、スピリチュアル的には「肉体を超えて意識が広がる体験」。
どちらの解釈をとっても、体の感覚がなくなるのは瞑想が深まり、心身が調和している証拠といえるでしょう。
体の感覚がなくなったその先にあるもの
スピリチュアルの世界では、瞑想中に「体の感覚がなくなる」という体験は、ただの現象ではなく 意識の扉が開かれたサイン と考えられています。
海外の瞑想コミュニティやリトリートでも、この体験はしばしば語られます。
ある人は「肉体を忘れた瞬間、光に包まれて宇宙とつながった感覚があった」と語り、
また別の人は「自分という存在が消え、ただ“静寂そのもの”になった」と表現しています。
体の感覚がなくなった先に訪れるのは、拡大した意識との出会い です。
肉体という境界が消えたことで、魂やエネルギーが自由になり、時間や空間にとらわれない感覚が広がります。
これを「ワンネス(すべてと一体になる感覚)」と呼ぶ人もいれば、「アストラル体の解放」と呼ぶ人もいます。
インドのヨガ行者やチベットの僧侶たちは、この状態を「サマディ(一種の悟りの境地)」と説明してきました。
そこでは自己と宇宙の境界が消え、「私は私であり、同時にすべてでもある」という感覚に包まれると言われています。
一方で、西洋のスピリチュアル実践者は「無限の愛に触れる感覚」「源(ソース)とつながる体験」と語ることが多く、
文化によって表現は異なるものの、共通しているのは 肉体を超えた自由と深い平和 です。
つまり、体の感覚がなくなるのはゴールではなく、そこから始まる「もうひとつの旅」の入り口なのです。
恐れる必要はなく、安心してその静けさに身を委ねることで、あなた自身の内側に眠る広大な意識の世界と出会うことができるでしょう。
体験談:体の感覚がなくなる不思議な瞑想体験
体験談エピソード1
アメリカ在住の Mさん(40代・女性) は、友人に誘われて参加した瞑想ワークショップで、忘れられない体験をしました。
最初はただ呼吸に集中しているだけのつもりでした。ところが10分ほど経ったころ、腕や脚の存在をまったく感じなくなったのです。
「まるで自分の体がベッドに溶けていくようで、動かそうとしても動かない。でも意識ははっきりしていて、呼吸だけが残っている」――Mさんはそう語ります。
さらに不思議だったのは、その直後に視界の奥に光が広がったことでした。
目を閉じているのに、白く柔らかな光に包まれ、自分がその光と一体化したように感じたといいます。
体は消え、意識だけが光の中に浮かんでいる――そんな強烈な体験でした。
終わった後、Mさんは深い安らぎと共に「長年抱えていた不安が消えた」と涙を流したそうです。
「瞑想はただのリラックス法だと思っていたけれど、これはまったく別の世界。魂が自由になる感覚でした」と振り返っています。
同じワークショップに参加した他の人も、「時間がなくなったように感じた」「宇宙とつながった気がした」と口々に話しており、体の感覚がなくなる体験は多くの人に共通して訪れるものだとわかります。
体験談エピソード2
東京在住の Nさん(30代・男性) は、毎晩寝る前に10分だけ瞑想をする習慣を続けていました。
ある日、いつものように部屋の明かりを落とし、静かに仰向けで呼吸に集中していると、突然「体の感覚がスッと消える」瞬間が訪れたといいます。
「手も足もベッドに触れているはずなのに、存在をまったく感じない。
ただ、呼吸の音と胸の上下だけが残っていて、体はどこにもないように思えた」――Nさんはそう語ります。
さらに不思議だったのは、その時に「部屋全体と一体になった感覚」があったこと。
壁も天井も境界がなくなり、自分が空間そのものになったように感じたそうです。
体は消えているのに、意識は研ぎ澄まされ、普段以上にクリアだったといいます。
瞑想が終わったあと、Nさんは「短時間なのに何時間も眠った後のようにスッキリした」と驚きを隠せなかったそうです。
「体が消えるなんて怖いと思っていたけれど、実際は安心感に包まれ、むしろ『またこの状態に入りたい』と思った」と振り返っています。

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